不登校の友だちの相談にのってあげられなかった私

年齢 > 高校生

こんにちは。高3の女子です。いま、私の大切な友だちについて、私自身がどうしたらいいかわからず、苦しんでいます。
その子とは高校入学で知り合い、同じ明るさとうるささで気が合っていました。人見知りする子でしたが、私には心を開いてくれました。悩み事なんかない感じの子でしたが、高1の終わり頃から一気に様子がおかしくなり、不登校気味になりました。
私自身、その頃、足の怪我と手術、肺炎など色々あって、自分のことで精一杯で、友だちのことなど考える余裕がありませんでした。今、その子のことで、話をちゃんと聞いて上げられなかったことを、すごく後悔しています。夜、急に泣き出したり、手を切る行為(リストカット)をしているなどと言っていたことを思い出します。
結局その子は原因が何かわからないまま、気がつくと2年の初めに高校を退学していました。家が近くなので、今、その子がバイトしているコンビニに行ったりして、たまに帰りに食事をいっしょにすることもあります。でも、やっぱり心を開いてくれません。話の入り口迄は話してくれるのですが、心の奥は話してくれません。今はただ顔を見て「大丈夫?」とか「どお?」と、そんなことしかできません。どうしたらいいのか分からない自分が、情けなくなります。どうか助けをください。

高3 はるか

不登校になってしまったお友だち。その人の不登校は、相手が悩んでいる時に自分が相談にのってあげられなかったからではと思っておいでなのでしょう。あなたにとっても、心が通い合う、かけがえのないお友だちだったのですね。

でも私は、あなたがそのお友だちの顔を見に、コンビニに寄って、「大丈夫?」とか「どう?」と言ってあげる。それをとてもありがたく思います。それが今、何よりもその人に必要な援助のしかた(心配り)ではないでしょうか。

あなたは高校に通っているご自分を考えて、退学してしまった友だちを、「かわいそう、何か原因があったはず、それに何もしてあげられなかった自分。今も、何もしてあげられない自分」と思っておいでなのでしょう。でも不登校になった原因は、本人にもよくわからないまま、ただひたすら「学校へ行きたくない、先生にも、友だちにも会いたくない」と思ってしまう場合もあるのです。

もう一つ、不登校から立ち直った人たちの中に、後で不登校だった時の自分を振り返って、「あの時期は苦しかったし、回り道だったかもしれないが、今となっては自分の成長には、あの歳月が必要だったと思う」と言う人もいるのです。ワインが樽の中で熟成するまでには歳月が必要なように、やがてお友だちも、きっと自分の力で、自分の道を見つけ出すのではないでしょうか。

でもお友だちは今、学校へ行かなくてもコンビニで接客ができる。給料をもらえるようなしっかりした仕事をしている。今は、それだけでじゅうぶんではないでしょうか。ひきこもりにならなかっただけでもよかったと私は思います。高校へ行けるかどうかなんて、長い人生では小さなことで、今は高校を中退しても、その気になれば高校に戻ることも大学に進学することもできる機会が用意されている時代です。

ひとつだけ。
お友だちは今、現在の自分に満足していても、どこかに「自分も高校へ行っていたらなぁ」という気持がする日もあるかもしれません。友だち全部から見捨てられてしまったような気持になる日があるかもしれません。でもあなたが、時々コンビニに寄って「大丈夫?」「どう?」などと言ってくれる。例え表情や言葉には出さなくても、お友だちは、どんなに嬉しいことでしょう。あなたは今お友だちに、一番必要なことをしてあげているのですよ。

お友だちが学校に戻りたいと思う日が来るかどうかは分かりませんが、あなたは今のように、遠くからそっとお友だちを見守ってあげてくださいね。

東京学芸大学名誉教授 深谷 和子 プロフィール